騙した方に徳があり、騙された方には得がある。
【(原則)転勤ないよ】
私は1度だけ転職している。その時の面接官:人事部長の一言。
「今回は支店の事務責任者で採用だから(原則)転勤は無いよ。」
それまでの10年間、転居のある転勤が5回。耳触りが良かった。
競合他社(ダ〇ワハ〇ジュ)の内定を断り”転勤ナシ”に賭けた。
がしかし、わずか1年で東京本社。それも人事部へ異動。
28歳の若造は、やり手人事部長の甘言にまんまと騙された。
この人事部長、15年後に本体1万人のトップに就いた。
そして3年前、新会社の立ち上げ。社長に指名された私、48歳。
「あの時、転勤は無いって騙したでしょう。それで入っちゃったんですよ。」
「しょせん人事は他人事。そんな人事屋、今でも許せないと思ってますよ。」
酒の席だ、酔いに任せての無礼。あした、ゴメンナサイで済まそう。
すると
「やまちゃん、相変わらず日本語が苦手だねぇ。」
「確かに転勤はないと言ったよ。でもね、”原則”って言ったろ。」
「原則があるということは、例外があるでしょ、当然。日本語は正しくね。」
あっさりと返された。
この人はこの”とんち”で昇り詰めたんだな。と思うと同時に、
徳のある人に騙されて、自分にも得があったんだな。と思ったしだい。
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